2019年05月21日
胆泥症・胆嚢粘液嚢腫・胆石
~手術の画像が含まれますのでご注意ください~
中に脂肪分を消化する消化液(胆汁)が入っており、
胆汁は本来は黄色透明なオリーブオイルのようなトロッとした液体です。
胆汁がボールのように固形になってしまうものが胆嚢粘液嚢腫(たんのうねんえきのうしゅ)、
胆嚢内に結石ができてしまうものが胆石症と言われます。
稀に悪性腫瘍(癌)もみられます。
<診断>
超音波検査が有効です。
胆石症はレントゲン検査が有効なこともあります。
まれですが、超音波検査やレントゲン検査だけでは発見しにくいタイプの胆泥症もあります。
胆嚢粘液嚢腫の超音波検査画像
(胆嚢内が白くなっている)

胆嚢粘液嚢腫の超音波検査画像 胆嚢破裂の症例
(胆嚢内に白い筋状の物が見える)

胆嚢炎・胆泥症の超音波検査画像
(胆嚢周囲が白くなっており、胆嚢内に白い塊が見られる)

<治療>
無症状で、偶然発見されることも多く、
胆石症・胆泥症は無治療でも症状がなければ長い間普通に過ごせることも少なくありません。
このため、どのタイミングで治療を行うか決まった判断基準はありませんが、
胆石症・胆泥症と関連していると思われる症状や
<診断>
超音波検査が有効です。
胆石症はレントゲン検査が有効なこともあります。
まれですが、超音波検査やレントゲン検査だけでは発見しにくいタイプの胆泥症もあります。
胆嚢粘液嚢腫の超音波検査画像
(胆嚢内が白くなっている)

胆嚢粘液嚢腫の超音波検査画像 胆嚢破裂の症例
(胆嚢内に白い筋状の物が見える)

胆嚢炎・胆泥症の超音波検査画像
(胆嚢周囲が白くなっており、胆嚢内に白い塊が見られる)

<治療>
無症状で、偶然発見されることも多く、
胆石症・胆泥症は無治療でも症状がなければ長い間普通に過ごせることも少なくありません。
このため、どのタイミングで治療を行うか決まった判断基準はありませんが、
胆石症・胆泥症と関連していると思われる症状や
検査上の大きな異常は出ている場合には治療が必要です。
胆嚢粘液嚢腫は、胆嚢破裂のリスクが高い為、なるべく早い段階での治療が重要です。
胆嚢疾患は内科的な治療がうまくいかないケースが多々あります。
胆泥症は、飲み薬や脂肪制限の食事・サプリメントなどで改善することもありますし、
胆嚢粘液嚢腫は、胆嚢破裂のリスクが高い為、なるべく早い段階での治療が重要です。
胆嚢疾患は内科的な治療がうまくいかないケースが多々あります。
胆泥症は、飲み薬や脂肪制限の食事・サプリメントなどで改善することもありますし、
悪化を防ぐことが可能なケースもありますので、軽症な場合には内科的な治療から開始しても良いかもしれません。
当院では①内服薬での治療、②サプリメント(ベジタルブルサポート・ヴェルキュアといったもの)、
③食事管理、などを併用することが一般的です。これらを組み合わせることにより、胆泥症の改善が見られることもあります。
しかし内科的な治療で改善がない場合には、胆嚢の摘出手術が必要になります。
胆石症・胆嚢粘液嚢腫は薬が無効ですので、手術での胆嚢摘出が必要になります。
胆嚢の異常が悪化すると、胆嚢・胆管周囲の重度の炎症や胆嚢破裂を起こすことがあり、
その場合には手術時の麻酔リスクや
周術期(手術中~手術後の少しの間)の死亡率がかなり高くなりますので、
その前の段階での手術が望ましいと考えています。
その前の段階での手術が望ましいと考えています。
胆嚢の形態異常・黄疸

胆嚢を摘出した後

<胆嚢の摘出手術について>
無症状であれば、手術のリスクは高くありませんが、
胆嚢が破裂しているケースでは残念ながら助からなかったケースも存在します。

胆嚢を摘出した後
<胆嚢の摘出手術について>
無症状であれば、手術のリスクは高くありませんが、
出血・炎症・感染症などのリスクがあり、
人では胆嚢摘出後症候群といわれる手術後のトラブルが生じることがあるそうです。
動物でも手術後に肝臓の数値が悪くなる・胆汁の流れが悪くなる・
人では胆嚢摘出後症候群といわれる手術後のトラブルが生じることがあるそうです。
動物でも手術後に肝臓の数値が悪くなる・胆汁の流れが悪くなる・
胆管や肝管といった部位に結石が再発する・
胆管の一部が膨らみ胆嚢のようなものが形成される、
といった問題が出現する可能性があります。
胆嚢摘出手術の周術期死亡率(手術中~手術後短期間の間の死亡率)として、
5~10%程と報告されています(人では0.03%程)
これは軽症から重症までを含めた手術での数値であり、
無症状であったり症状が軽い場合にはほとんどの場合問題なく退院できますが、
一方で症状が重い場合や胆嚢破裂症例では、危険性がかなり高くなります。
当院でも無症状・軽症な状態での胆嚢摘出手術では死亡例はいませんが、
胆管の一部が膨らみ胆嚢のようなものが形成される、
といった問題が出現する可能性があります。
胆嚢摘出手術の周術期死亡率(手術中~手術後短期間の間の死亡率)として、
5~10%程と報告されています(人では0.03%程)
これは軽症から重症までを含めた手術での数値であり、
無症状であったり症状が軽い場合にはほとんどの場合問題なく退院できますが、
一方で症状が重い場合や胆嚢破裂症例では、危険性がかなり高くなります。
当院でも無症状・軽症な状態での胆嚢摘出手術では死亡例はいませんが、
胆嚢が破裂しているケースでは残念ながら助からなかったケースも存在します。
胆嚢を摘出した後も、生活は今まで通りの生活で大丈夫です。
まれに便が緩くなることがありますが、ほとんどの場合は問題ありません。
胆嚢粘液嚢腫
胆嚢粘液嚢腫といわれる状態
(胆嚢を割って中を見ている状態)