2019年08月15日

ウサギの子宮疾患・子宮腫瘍

~ウサギの子宮疾患~

未避妊のウサギちゃんは非常に子宮の病気が起こりやすく、
とあるデータではウサギちゃんの病気の11%が卵巣・子宮の病気であったと報告されています。
卵巣・子宮の病気は高齢の子に起こりやすい病気ですが、2歳程度の子でも発症することがあります。
ホルモンの影響で、子宮内膜過形成という状態になり、
そこにばい菌が感染すると子宮内膜炎になります。
また子宮の腫瘍が発生することも珍しくありません。


<診断>
初期はほとんど症状がなく、病気に気づくことはあまりありません。
血尿(外陰部からの出血)に気づき、検査をして発覚することが一般的です。
お腹が膨らんできた為、検査を行ったら子宮に水が貯まっていた、という事もあります。
悪化すると、子宮からの出血による貧血や食欲・元気の低下などの症状が目立ってきます。
症状および超音波検査からほとんどの場合は診断がつきますが、
子宮の腫れがあまりない場合には、診断が難しくなることもあります。

子宮に水が貯まり、お腹が膨らんできたウサギちゃん
(仰向けの状態)
ウサギの子宮疾患・子宮腫瘍


<治療>
基本的には手術で子宮・卵巣を摘出する必要があります。
子宮内膜過形成・子宮内膜炎であれば、手術で完治できますが、
悪性の子宮腫瘍の場合には、あとから転移が出てくることもあります。
手術の問題点として、ウサギちゃんの状態により手術のリスクが高くなることがあったり、
ウサギちゃんの麻酔のリスクは猫や犬に比べて高くなる為、
麻酔のトラブルが出ることがあります。


手術ができない場合には、ホルモン剤での治療を行う事になりますが、
完治は難しことが多いため、よほど手術ができない事情がない限りは手術での摘出が理想です。

手術中の画像 子宮水腫・子宮腺癌
ウサギの子宮疾患・子宮腫瘍

摘出した子宮
摘出した子宮

子宮内膜過形成
ウサギの子宮疾患・子宮腫瘍

子宮内膜嚢胞状過形成。
子宮内にブツブツとしたもの(嚢胞)が沢山見られます。
ウサギの子宮疾患・子宮腫瘍





Posted by 駿河どうぶつの病院 at 19:01│Comments(0)ウサギの病気生殖器
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