2013年03月28日

診察時間変更のお知らせ

5月12日(日)は狂犬病の集団予防接種参加のため、

午前の診察を9時30分~11時までとさせて頂きます。

午後は通常通り、16時~18時の診察です。

ご不便をお掛けしますが、ご了承ください。  
  • LINEで送る


Posted by 駿河どうぶつの病院 at 11:07Comments(0)

2013年03月23日

陰睾という病気


去勢手術をしていないワンちゃんなのに、時々精巣が見当たらない子がいます。

本来は2つあるはずの精巣が本来ある場所(陰嚢の中)に片方しかない

もしくは両方とも無い子がいるのです。

このような場合、殆どが陰睾(いんこう)という異常です。

潜在精巣や停滞精巣と呼ばれることもあります。


精巣は、

胎児の段階(お母さんのお腹の中にいる段階)で腎臓のすぐに後ろ、

つまりお腹の中に形成されるのですが、

それが次第に陰嚢の中に移動してきます。

移動するのには、ワンちゃんだと生後30日以降、

場合によっては2~3ヶ月以降までかかることもあります。


性成熟に達する段階(おおよそ8~12ヶ月)で、

精巣が陰嚢の中に存在していない状態を陰睾といいます。

陰睾の場合、精巣が存在する場所はお腹の中であったり、

鼠径部(そけいぶ:後ろ足の付け根の内側)の皮膚の下であったりします。


ではこの陰睾、何か問題があるのでしょうか?


人間で高熱を出すと精子ができなくなる、と言われることがありますよね。

これが必ずしも正しいというわけではありませんが、

要は精巣は熱に弱い、ということです。

陰嚢の中に収まっている精巣より、お腹の中にある精巣のほうが温度が高くなります。

温度だけが原因ではありませんが、

本来の位置に精巣がない場合、

精巣腫瘍になる確率が高くなります。


ですので、

陰睾の場合は手術で精巣摘出すること薦めます


子供をとりたい、という場合もあるかもしれませんが、

この疾患は基本的には遺伝病ですので、交配は薦めません。



13歳のコーギー君、おしっこのトラブルで病院へ来院となったのですが、

身体検査で明らかにお腹の中に何かデキモノがありました。

また精巣が本来の場所に1つしかない・・・。

検査の結果も合わせて考えると、

どうやらデキモノの正体は、お腹の中に残っていた精巣が大きくなってしまったもののようでした。

恐らく精巣の腫瘍(ガン)でしょう。


  


左側の写真はそのデキモノの超音波検査、

右側の写真はレントゲン検査です。

レントゲンでは黄色の○の中に、うっすらと白い丸い影が映っているのが

何らかのデキモノです。


検査結果と考えられること、さらに今後起こりうることなどを飼い主様に説明したところ、

飼い主様もしっかりと理解してくださり、手術を決心してくれました。


手術の日程を決めて、手術開始。

まず正常の位置にある精巣を摘出した後、

お腹を開けて、デキモノを確認。

そのデキモノをお腹の外に引っ張り出した様子が↓


手で握っている部分が精巣ですが、精巣が異常に大きくなり、ボコボコしています。

また赤い○の部分は血管や精管ですが、捻じれているのがおわかりになりますか?

ここが捻じれると精巣捻転といわれる状態です。

この子の場合、まだ捻じれ方がひどくありませんでしたが、

ひどくなると血管が捻れることにより精巣への血行が途絶えてしまい、

精巣が壊死(腐ってしまう)してしまいます。

この子は、精巣捻転が重度になる前の段階で手術でしたので、幸い(?)でした。

この精巣を摘出し、お腹を閉じて、皮膚を縫って手術終了。


摘出した精巣の写真ですが、上の大きな精巣が腫瘍化した精巣、下が正常な精巣です。



病理組織検査の結果では、

大きくなった精巣はセミノーマ(精上皮腫)というガンでしたが、

実は一見正常な方の精巣にも、ライディッヒ細胞腫(間細胞腫)というガンの一種が見つかりました。

高齢の子ではこのように正常に見えてもガンが発生していることが時々あります。

どちらも悪性ですので、今後も定期検診が重要です。


このコーギー君、現在手術後3ヶ月ほど経ちますが、

ガンや手術の影響は全くなく、元気にしてくれています。

ガンですので、転移の可能性がゼロではありませんが、

このまま何ともなく過ごしてくれるといいですね。

  
  • LINEで送る


Posted by 駿河どうぶつの病院 at 01:14Comments(0)

2013年03月21日

ワンちゃんのスキンケア


女性の皆様にお聞きします。


お化粧を落とす時には、何を使用していますか?

「え、クレンジングですよ!?」



そうですよね。

私も含め、男性では「クレンジングなぞ使ったこともない」、という方が大多数でしょうが、

お化粧を落とすのはクレンジングが一般的ですよね。

化粧品の多くは簡単に落ちてしまわないよう、油性の基剤が含まれていますが、

そのため通常の洗顔料ではお化粧は落ちにくく、

化粧品の油分を溶かし落とすために、専用のクレンジングを使用されるかと思います。


さて、ワンちゃんの毛・皮膚についた汚れを観察してみてください。

単純にフケがついているだけならば別ですが、

触ってみるとベタベタする皮脂汚れはついていませんか?

シーズー、アメリカンコッカースパニエル、ウェスティーの子などは

とくに皮脂汚れが強いと思います。


ではこの皮脂汚れ、どう落としたらよいでしょうか?


通常のワンちゃん用シャンプーでもある程度は落ちますが、

皮脂汚れが強い場合にはあまりしっかりは落ちません。

上でお話しさせて頂いたように、

頑固な皮脂汚れは通常の洗浄剤では落としにくいんですね。

この辺りは女性の方はご理解頂きやすいかと思います。

ですので、脱脂作用の強いシャンプーを使用することが多くなります。


ではワンちゃんもシャンプーの前にクレンジング剤を使用したら

皮脂汚れはよく落ちるのでは?


スキンクリーニングオイルという、

クレンジングと同じ働きをするワンちゃん専用の洗浄剤があります。

このオイルで皮脂汚れを落としてから、専用の低刺激性シャンプーと保湿剤を使用すると効果的です。

スキンクリーニングオイルを使用してからシャンプーをするので、

シャンプー自体の洗浄力はそれほど強くなくても、汚れがしっかり落ちます。

皮脂汚れが少ない乾燥傾向の場合には、このシャンプーと保湿剤だけの使用でも十分です。


このスキンケアシリーズは、犬の皮膚科学に基づいて開発され、非常に刺激性が少なく、

敏感肌の子でも安心して使用できます。


また全成分表示の安心と、人間の化粧品の生産ラインを使用して作られています。

無香料ですので、人によっては何か物足りなさが残るかもしれませんが、

匂いに敏感なワンちゃんは無香料でも十分です。 

さらに手軽な保湿乳液剤もありますので、

カサカサしている部分に自宅でちょっと塗ってあげることもできます。


暖かくなるとワンちゃんの皮膚トラブルが多くなりますので、

皮膚が弱いワンちゃんは一度ご相談ください。

皮膚が健康なワンちゃんでももちろん使用可能ですよ。

薬用シャンプーとは異なるシャンプーであり、また若干値段も張りますが、

非常にオススメできるスキンケア製品です。




  
  • LINEで送る


Posted by 駿河どうぶつの病院 at 20:21Comments(0)日々のケア

2013年03月13日

ダイエットに挑戦しませんか?

ワンちゃん・猫ちゃんでもいわゆる”生活習慣病”が増えてきています。

飲酒・喫煙・過剰な労働をしない動物の場合、

生活習慣病の原因は殆どが食生活です。


「可愛いから・・・」

「喜ぶから・・・」

「欲しがるから・・・」


ついついご飯やおやつをあげ過ぎていませんか?


動物用のおやつだけではなく、

人間の食べ物、ハムやウインナー・から揚げなどをあげてませんか?

体重5kgのワンちゃんがクッキーを1枚食べると、

人間ではハンバーガーを1個食べたカロリー計算になります。


体重4kgの猫ちゃんが魚肉ソーセージを1/3本食べると、

人間ならショートケーキ1個食べた計算になります。


ちょっとだから、といって油断すると太ってしまい、生活習慣病の原因になりますよ。

頑張ってダイエットをして、生活習慣病を予防できるようにしたいものですが、

一度太るとなかなか体重は元に戻りませんよね・・・icon11



そんな中、最近発売されたメタボリックスというドライフード・ウェットフードがありますが、

これがなかなかの優れもの。


今までいろんなダイエットを頑張っても体重が落ちなかったワンちゃんでも、

この食事に変えてから体重が少しずつ落ちてきています。


現在当院では、何頭かのワンちゃんにこれを試してもらっていますが、

比較的いい手応えです。

もちろん猫ちゃん用もあります。


さらにこのシリーズ、嬉しいことに減量用に合わせたおやつもあります。

おやつは猫ちゃん用がハート型、ワンちゃん用が骨型と見た目も可愛くなっています。

もちろん、専用のおやつと言っても与えすぎは禁物ですが、

他のおやつに比べ、太りにくくなっていますので、

ダイエットを頑張っているワンちゃん・猫ちゃんへのご褒美には丁度いいですね。

ダイエットを始めてみよう

これまでも頑張ってみたけどもう1度頑張ってみよう、

と言う方はご相談下さい。

おやつの試食を院内に置いてありますので、ご来院の際にはお試し下さい。


    







  
  • LINEで送る


Posted by 駿河どうぶつの病院 at 14:24Comments(0)日々のケア

2013年03月12日

ヨークシャーテリアの子に多い病気②

3月になって急に暖かくなりましたね。

それに伴ってか、花粉症も急にひどくなってきました。

くしゃみがとまらず困っています・・・。


さて前回のブログの更新から1ヶ月以上もあいてしまいましたが、

今回は前回の続きです。

高齢のヨーキーちゃんで多いのが、背骨、とくに首の骨の異常です。

背骨と言うと、ダックスの子に椎間板ヘルニアが多いということを

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、

ヨーキーちゃんの場合はちょっと違います。

椎間板ヘルニアもあるのですが、

本来7個ある頚椎(首の骨)ですが、その頚椎の関節同士がくっついてしまい、

首の動きに制限が出てしまう状態が比較的多く見られます。

その影響で、痛みが出る場合や、まっすぐ歩けない

フラフラするなどの症状が出ることもあります。

俗にヨーキーウォブラーと言われたりもするこの異常、

実は比較的若いうちから首の骨に異常が出ているのですが、

症状はほとんど出ないため、気付くことが非常に少ない病気です。

また高齢の子でレントゲン撮影を行った場合、たまたま発見されることもありますが、

やはり症状がないため日常生活に全く影響がないことも多々あります。


しかし中には上で述べたような症状が出てしまう子もいます。

この病気の場合、治療は痛みのケアが中心となります。

痛み止めも何種類かあって、

それらを試していくことになりますが、

最近、人の椎間板ヘルニアや背骨の異常で使われる薬が

かなり効果的な印象があります。

またこの薬は長期間飲み続けても体への影響が非常に少ない薬です。


実はこのブログを書いている私自身も椎間板ヘルニアを患っているのですが、

整形外科で処方して頂いたその薬が非常に効果的でした。

高齢のヨーキーちゃんで、時々首をすくめている、体を触ると痛がる、などの様子がある場合、

一度首の様子を確認したほうがいいかもしれません。


また空気の通り道である気管が潰れてしまう、気管虚脱という病気も頻繁に見られます。

中高年齢のヨーキーちゃんで、「ガァーガァー」と咳込む様子が見られる子は要注意です。

程度が軽い場合は安静や軽い咳止め・消炎剤(とくにステロイド剤)で

ある程度症状を抑えられることがありますが、

悪化すると薬を飲んでもなかなか咳が治まらず、

ひどい場合には呼吸困難で生命に関わってしまうこともあります。

重度な場合には手術が必要になることもありますが、

かなり大掛かりな手術になります。

この気管虚脱を悪化させないために重要なのが、体重です。

太ると気管が潰れやすくなりますので、適正体重を心がける必要があります。

咳き込む様子があれば、必ず一度主治医の先生に診てもらってください。

気管虚脱は非常に重大な病気ですので、また別の機会に細かく説明させて頂きますね。




  
  • LINEで送る


Posted by 駿河どうぶつの病院 at 17:05Comments(0)犬種別