2012年10月16日

胃捻転

先週の夜にラブラドール・レトリバーの飼い主の方から連絡がありました。

急にお腹が張ってきて、呼吸も早く元気がない様子とのことでした。

急にお腹が張ってきた場合に怖い病気が胃捻転です。


胃捻転は大型犬

とくにアイリッシュセッターやアフガンハウンド・スタンダードプードルなどの

胸の深い犬に多い病気で、急激に発症します。

治療をしなかった場合には殆どが半日~1日以内に亡くなってしまうといわれています。

症状としてはお腹が張ってくる、吐きそうで吐けない、といったものが特徴的です。

治療は基本的には手術で胃のねじれを直し、胃を動かないようにお腹の筋肉に固定します。


この電話のあったラブちゃんの場合、

お腹が張ってきているけど吐きそうな様子はないようだったので、

胃捻転ではないかな、と思いましたが、

こちらも飼い主さんも心配ですので、ひとまず診察に来てもらいました。

その結果、とくに大きな問題はありませんでしたので一安心でした。


「大型犬で、食後急にお腹が張ってきて、吐きそうだけど吐けない」

これは典型的な胃捻転の症状です。

ただ大型犬だけではなく小型犬でも起きることもありますし、

必ずしも食後ではありませんが、

胃捻転は一刻を争う重大な疾患ですので、

上記のような症状があった場合、

すぐにかかりつけの動物病院に連絡してみてください。


ちなみに胃捻転のレントゲンがこちら↓

赤い線で囲まれた黒い部分が胃で、黄色の線は捻転ラインといわれるものです。

胃に空気がたまり(空気はレントゲンで黒く映ります)、胃が膨らんでしまっています。


  

  
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Posted by 駿河どうぶつの病院 at 13:47Comments(0)