2013年11月15日

猫カゼにご注意ください


寒くなってきて、猫ちゃんの伝染病、いわゆる”猫カゼ”の猫ちゃんが多くなってきています。


猫カゼとは、眼の感染症や鼻・口・ノドなどに炎症を起こす感染症の総称です。

典型的な症状は結膜炎や膿の混じったような目ヤニ・鼻水・鼻づまり・口内炎などですが、

それぞれ病原体が違うことが殆どです。


目に主に感染するものとして、ヘルペスウイルスやクラミジアなど、

口内炎を引き起こすカリシウイルスなどがあります。

またそれらの病原体に加え、その他の細菌感染が重なって悪化することが一般的です。

下の写真のように、片方の目だけに症状が出ることもあります。


治療は抗生剤・消炎剤での治療が主体になりますが、

最近は効き目のいい抗ウイルス薬や

ウイルスの増殖を抑えるサプリメントなども出ており、

治療の幅が広がっています。


ただ抗ウイルス薬は比較的高価で、

また一度ウイルスが感染してしまうと体の中にそのまま残ってしまい、

治ったように見えても何らかのきっかけで再度症状が出てしまうこともよくあります。

普段は何ともないのに、

体調を崩すと唇の周りにポツポツ出来てしまう人間のヘルペスウイルスと同じですね。


予防接種によりある程度抑えることが出来る病気ですので

(完全に抑えられるわけではないのですが)、

まだ予防接種がお済でない方、

とくに多数飼育の方は予防接種を受けさせてあげて下さいね。


なお近年、

コリネバクテリウム・ウルセランスという細菌に感染して風邪の様な症状を起こした猫ちゃんから、

その細菌が人間に感染してやはり風邪のような症状を起こした事例が何件か報告されています。

飼い主さんも体調が優れないようであれば、お早めに病院で診てもらって下さいね。




   
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Posted by 駿河どうぶつの病院 at 10:27Comments(0)病気の話