2013年01月24日

ウサギちゃんの怪我

今回は不運な事故で怪我をしてしまったウサギちゃんの治療のお話。

まだ4か月のウサギちゃん(男の子)。

飼い主さんのお宅には他にもウサギちゃんがいるそうなのですが、

その同居ウサギちゃんに咬まれてしまったとのことでした。


飼い主さんもびっくりして病院へ来院されたのですが、

その怪我というのが、

陰嚢(精巣を包んでいる皮膚の袋ですね)を咬まれてしまい、

その中の精巣が外へ飛び出てしまっている、

という状況でした。

ウサギちゃんの怪我 ウサギちゃんの怪我

左の写真は来院時の様子、右の写真は毛刈りをして、

患部をわかりやすくした時の様子です。

左の写真の左側の青丸が正常な陰嚢、右側の青丸が陰嚢が破れて精巣が出てしまっている方です。

また右側の写真の赤枠は陰嚢から出てしまっている精巣です。黄色の丸は陰茎の先端です。


「消毒をすれば大丈夫ですよ」、という状態ではありませんでしたので、

飼い主さんに状況を説明し、飼い主さんにも納得して頂けましたので、

その日のうちに緊急手術となりました。


まずは点滴や注射をするにできるようにする為に前足の血管にシリコン製の管を入れます。

この時に一緒に血液を採取して麻酔前の血液検査も行いました。

ウサギちゃんの怪我


血液検査に異常はありませんでしたので、

点滴をしながら鎮静剤や麻酔薬を注射し、

またマスクで酸素と麻酔を嗅がせてしっかりと麻酔をかけます。

もちろん心電図なども付けて麻酔中の様子を監視します。

ウサギちゃんの怪我


麻酔は強すぎてはいけませんが、弱すぎてもいけません。

ちょうどいい麻酔の深さに加減し、手術開始。


こちらは精巣の血管と精管を縛っているところです。

ウサギちゃんの怪我


精巣を摘出して、傷口をよく洗浄し、糸が体の外に出ないように皮膚を縫合しました。

ワンちゃん・猫ちゃんもそうですが、

とくにウサギちゃんは皮膚を縫った糸を気にすることが多いので、

体の外に皮膚を縫った糸が出ないようにすると、傷口を気にしにくくなります。


麻酔が終わった後、数時間後には牧草をポリポリと食べてくれ、

翌日元気に退院。


退院後は少しの間抗生物質の内服を自宅でしてもらい、その後に再診。

こちらが再診時の傷口の様子ですが、

傷口を気にする様子がほとんどなかったようです。

傷口はすっかり良くなっていて、元気も食欲も十分とのことでした。

ウサギちゃんの怪我

ウサギちゃんの場合、意外と気が強い子が多く、

相性が合わないと多頭飼育が困難な場合もよくあります。


この子の場合は、

飼い主さんがこの後しっかり管理してあげているようですので大丈夫だと思いますが、

もう怪我しなくて済むといいですね。


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Posted by 駿河どうぶつの病院 at 17:51│Comments(0)
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