2013年11月28日
お腹の寄生虫
先日保護された子猫ちゃんの便検査を行ったところ、
たくさんの寄生虫の卵が見つかりました。
回虫、マンソン裂頭条虫、壷型吸虫の卵が同時に確認できます。
かなりたくさんの寄生虫に感染していますね。
回虫は猫の便に出てきた卵を、他の猫ちゃんが口にすると感染します。
また人間でも小さなお子さんが砂場などで感染することがあります。
マンソン裂頭条虫や壷型吸虫はカエルやヘビを生で食べることにより感染します。
この子猫ちゃんはカエルを食べて頑張って生きていたんでしょうね。
下の写真は別の猫ちゃんですが、
猫ちゃんのトイレにこのような小さな米粒のようなものが落ちているということでした。
この写真は、便から出てきた後少し時間が経ってしまったので黄色くなってしまっていますが、
便から出てきた直後はもっと白く、伸びたり縮んだりします。
この正体は条虫(いわゆるサナダ虫)で、
体の一部(片節と言います)がちぎれて、便から米粒のようなものが出てきます。
条虫というのは種類の総称名で、
条虫の中にも犬条虫・猫条虫・瓜実条虫・マンソン裂頭条虫などの種類がいますが、
猫条虫の成虫がこちら↓
この成虫は猫ちゃんの吐物に混じって出てきたものでした。
この体がちぎれて、便に米粒のようなものが出てきます。
猫条虫はネズミを食べることにより感染します。
また瓜実条虫は猫ちゃんが毛づくろいした時に、ノミを食べてしまうことにより感染します。
お腹の寄生虫は少数の寄生だとそれほど悪さをしないものもいますが、
それでも多数寄生すると下痢や発育不良の原因にもなります。
同居の猫ちゃんに感染したり、中には人間に感染するものもありますので、
外に行く猫ちゃんは(ワンちゃんもですが)、ノミの予防や定期的な検便をしてあげてくださいね。
Posted by 駿河どうぶつの病院 at 19:32│Comments(0)
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