2012年09月14日

ワンちゃんの去勢手術

ワンちゃんの去勢手術を行った時のことです。

飼い主様がお迎えに来た時の、

「あれ? 残ってる!?」 との言葉が印象に残りました。

どういうことかというと、通常ワンちゃん・ネコちゃんの去勢手術は、

精巣だけを取り、おちんちん自体は取りません。

この飼い主さんはおちんちんも取ってしまう手術だと思っていたのです。

手術の説明時に「精巣を取りますよ」とは伝えているのですが、

たしかに一般の方にはわかりにくいですよね・・・。

説明はわかりやすく、と心がけているのですが、反省しました。

通常の去勢手術は、下の写真のように精巣だけを取る手術になります。

(精巣を体外へ引っ張り出し、精巣の血管と精管を縛っているところです。

この後、精巣だけを摘出します)



去勢手術の時期ですが、生後半年以上であればいつでも構いません。

もちろん去勢手術によるメリット・デメリットがありますので、

それも含め去勢手術を行うかどうか考えてもらえればいいのですが、

メリットとして、発情が来なくなる(=発情時の興奮がなくなる)、

精巣の病気がなくなる、ことが挙げられます。

また若いうちに去勢手術をしておけば、

かなりの確率で男性ホルモンに起因する病気も防ぐことができます。

デメリットの一番大きなものは太りやすくなるということでしょう。

なお性格が大人しくなる、吠えなくなる、などは去勢手術だけではあまり望めません。

そうなる子もいるのですが、元来の性格の関与が強く、

去勢手術だけで抑えられるものではないのです。

また若いうちに去勢手術をすればマーキングも減りますが、

これも0になるわけではありませんのでご注意ください。


余談ですが、ニホンザルなどでは精巣をとる手術ではなく、

精管だけを縛る手術が行われることもあるそうです。

なぜかというと、これ以上繁殖しては困るけど、

オスとしての威厳や気質は残しておきたい、という目的があるそうで、

その場合に精管を縛ってしまう手術が行われることもあるそうです。

精管とは精液の通り道ですので、これを縛ってしまえば繁殖することはありません。

しかし精巣自体は残っていますので、男性ホルモンは出るため、

オスとしての行動は変化がないそうですよ。

(ちなみに、精巣は精液や男性ホルモンを作る臓器、

精管は精液の通り道、精液は精子を含む液体です。

 精管・精巣・精液・・・、やっぱり説明って難しい・・・)









  
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Posted by 駿河どうぶつの病院 at 01:19Comments(0)